パナソニック ワイルドナイツ |
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40 |
合計 |
22 |
10 |
前半 |
10 |
30 |
後半 |
12 |
5 |
勝点 |
1 |
23 |
総勝点 |
19 |
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東芝 ブレイブルーパス |
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パナソニック ワイルドナイツ 40-22 東芝ブレイブルーパス
ファーストステージ・第6節 プールB
2013年10月19日(土)14:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場
昨季の2位と3位、今季(ファーストステージ)はこれまでともに1敗ずつ。セカンドステージの上位グループ入りのためには負けられない両チームの戦いは、パナソニック ワイルドナイツが意地を見せ、東芝ブレイブルーパスを後半に圧倒。ボーナスポイント付きでファーストステージ4勝目をあげた。
前半を10-10として迎えた後半、東芝のキックオフ。東芝LO大野均がノックバックしたボールは、後半から出場のパナソニックHO堀江翔太の懐にすっぽり収まった。堀江は大きくゲインしてFLホラニ龍コリニアシ、FL西原忠佑と繋ぎ、後半開始僅か20秒のノーホイッスルトライ。
後半風上のパナソニックはこれで波に乗り、先へ先へと加点していった。FB三輪忠寛が確実に2つのPGを決めた後の11分、東芝ラインの落球を拾ったCTB JP・ピーターセンからSOベリック・バーンズにボールが渡った。前節でトップリーグデビュー、秩父宮は初登場となったこの豪州代表51キャップの万能バックスは、攻めにかかっていた東芝の後ろが空いているのを見逃さずにキック。転がるボールをWTB山田章仁が押え、前半インターセプトからあげたものに続き山田自身この日2つ目のトライ。
負けずに堀江も2つ目。バーンズのロングパスからWTB北川智規(この日のゲーム主将)が抜け出てゴール前にできた密集から持ち込んだもの。試合後、「別なリーグ(スーパーラグビー)ならすぐに飛び込んでいたかも」と話した堀江は、「(コンバージョンの)2点でも多く」と冷静に中央付近まで運びグラウンディング。
最後は、やはり途中出場の前主将CTB霜村誠一が、フォワードの前進から生まれたチャンスをものにした。
途中シンビンとなったLOダニエル・ヒーナンも合わせ、豪華なメンバーをリザーブで使ったことについてパナソニック中嶋監督は、「ヤマハ発動機戦の反省から、終盤までもつれる展開となった場合、若手より経験のある選手を投入したかった」と説明した。パナソニックPRホラニ龍シオアペラトゥーはスクラムでの奮闘以外にも、好タックルを連発。足を痛めて退いた後半26分まで骨惜しみなく働き、マン・オブ・ザ・マッチとなった。
一方の東芝。序盤は堅いディフェンスと、和田監督自身「よかった」と評したアタックで2トライを上げたが、「スペースができた時、攻め急いでしまった」(同監督)と言うように、チャンスの時間帯で波に乗れなかった。試合終了直前、WTBクーパ・ブーナがチーム4つ目となるトライでボーナスポイントだけは奪取したが、ここに来て痛い2連敗。敵将をして「東芝らしいスタンディングラグビー」で戦ったが、むしろそれが「うちの強さを引き出してくれた」(パナソニック中嶋監督)と言わしめる結果となった。
トップリーグは次週、ウィンドウマンス前の最終試合を迎え、ファーストステージの順位が確定する。
(米田)
● 記者会見ダイジェスト ●
東芝ブレイブルーパス

和田賢一監督(右)、望月雄太ゲームキャプテン
和田賢一監督
「今日はありがとうございます。多くの方にご観戦いただき感謝申し上げます。前節、ブレイクダウン含めてボールを動かされ、2週間、パナソニック戦というビッグゲームに向けて練習してきました。選手は良くやってくれたと思います。パナソニックさんのディフェンスの圧力に対して、歯車がかみ合わなくなってしまったと思います。良いアタックをしていましたが、できたスペースに真っ直ぐ走り込み過ぎたと思います。ビデオを見て修正したいと思います」
──フィニッシュできなかったのは?
「スコアするまでの1つ2つのフェイズはうまく行くが、3つ目でノックオンなどしてしまい、継続できなかったからだと思います」
──相手のトライは?
「インターセプトは攻め急いだからだと思います。パナソニックさんのディフェンスは、簡単にスペースに運び込めますが、そこで一つ打ち込むことが必要でした」
──後半の入りは?
「後半の1発目のトライはアクシデントで仕方がないですが、その後のPG2本が良くなかったと思います。しっかり修正したいと思います」
望月雄太ゲームキャプテン
「本日はありがとうございました。東芝としてはパナソニックさんに真っ向勝負で自分たちのすべてを出し切ろうと臨みました。前半は五分の戦いができたと思いますが、後半は流れを掴んだほうが得点しました。うちも得点しましたが、掴み切れずに終わりました。シーズンは長いので、修正して次の近鉄戦に臨みたいと思います」
──プレッシャーは?
「割とパナソニックさんのディフェンスラインが上がってきていると分かっていたので、しっかり走り込んで、前で当たって行こうとしていました。球出しのタイミングやラインの深さなどのちょっとしたことで、うまく行かなかったと思います」
──後半の入りは?
「この試合を通じて、リスタートの部分で流れを掴めませんでした。トライを獲られて、もちろん、正直、コンテストは僕の中では、できていたと思いますが、イーブンボールへの働きかけが遅れ、修正できませんでした。気持ちの部分かもしれません。セカンドボールが相手に入っていました」

パナソニック ワイルドナイツ

中嶋則文監督(右)、堀江翔太キャプテン
中嶋則文監督
「お疲れ様です。今日の試合は東芝さん相手で、フィジカルで上回り、ぶつかって前へ出ようと臨みましたが、選手がやり続けてくれて、ディフェンスもプレッシャーを掛け続けてくれたことが勝因です。東芝さんも、自分たちのスタンディングラグビーにこだわってくれたので、我々の強みを出せたと思います。選手には、まず、前半我慢しようと伝えました。風下で10対10、残り40分でリザーブが勝利に導いてくれると思ったが、思った通りボールが動くラグビーをしてくれて、意図した通りの試合運びでした」
──バーンズ選手の起用は?
「ゲームメイクをしっかりしてくれると思っての起用です。東芝さん相手にボールを動かし続けるSOで、後半うまくかみ合ったと思います。中でやっている選手も、ボールを動かせばスコアできる感覚があったと思います。攻撃面では、まず敵陣に入ってと指示していましたが、自陣からも回して果敢に攻めてくれました」
──上位グループに決定したが?
「セカンドステージに行くにあたって、1位通過は凄く重要だと思います。次のリコー戦、しっかり準備してボーナスポイントを取りたいと思います」
──リザーブが豪華だが?
「負けたキヤノン戦、ヤマハ発動機戦が良い教訓になりました。リザーブに若手だけだと、劣勢でビハインドの時に打開策が取れません。ただ今日は、スターティングに出ているメンバーも代表クラスにひけを取らない動きをしてくれたのが勝因です」
堀江翔太キャプテン
「お疲れ様です。前半、よく我慢してくれました。風下でなかなか自分たちのラグビーができませんでしたし、ミスもありましたが、いつでも出られるようスイッチを入れていました。後半、攻め込まれてトライを獲られたことは反省して持って帰りたいと思います」
──後半20秒でトライできたが?
「まあ、入るときは特に気持ちが入っていたし、あそこでうまいこと、僕の所にボールが回ってきて、ホンマならパスしないところですが(笑)、冷静に練習どおりできました」
──自らトライしたシーンは?
「モールでゴリゴリ押したら、スペースが見えたので。ギリギリで、無理やり中に行こうとしました。違うリーグなら、すぐ飛び込んでいたと思いますが(笑)、ちょっとダメでしたね(苦笑)」




マン・オブ・ザ・マッチはパナソニック ワイルドナイツ、ホラニ 龍シオアペラトゥー 選手
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