パナソニック ワイルドナイツ |
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32 |
合計 |
31 |
24 |
前半 |
10 |
8 |
後半 |
21 |
5 |
勝点 |
2 |
32 |
総勝点 |
19 |
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神戸製鋼 コベルコスティーラーズ |
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パナソニック ワイルドナイツ 32-31 神戸製鋼コベルコスティーラーズ
セカンドステージ・第6節 グループA
2014年1月11日(土)14:05キックオフ/大阪・近鉄花園ラグビー場
既にプレーオフ進出を決め、首位を快走するパナソニック ワイルドナイツと、前節3位のヤマハ発動機ジュビロが勝点を獲得できなかったこと(対トヨタ自動車ヴェルブリッツ)により、勝利は当然ながら、プレーオフ進出のためにはポイントを1つでも多く獲得することが重要な神戸製鋼コベルコスティーラーズ。風上のパナソニックが先蹴でゲームがスタートする。
開始20秒、キックオフのボールを‘無理に’展開する神戸製鋼。浮いたパスをパナソニックWTB14北川智規がインターセプトしトライを奪う。(G成功7-0)
オフ・ザ・ゲート等ケアレスミスが目立つ神戸製鋼は4分、自陣ゴール前で獲得したフリーキックがタッチを切らず、パナソニックのスピード豊かなカウンターアタックに翻弄され、ブレイクダウンからフェイクで抜け出したパナソニックSH田中史朗をHO堀江翔太がフォロー、最後はCTB13霜村誠一が左中間にT(G成功14-0)、5分で14点差の劣勢となる。ボールキャリーのスピードやフォローの厚み、ボールリサイクルの速さ、どれをとってもアタックの精度で上回るパナソニックは14分にもPGで加点し17-0。
近鉄花園ラグビー場に今季初見参のパナソニックが、前半でゲームを決めるかと思われた26分、神戸製鋼はカウンターから活かしたチャンスをCTB12クレイグ・ウィングが巧みなランで拡げ、FB濱島悠輔→NO.8マパカイトロパスカと繋ぎ中央へT(G成功17-7)、徐々にアタックからリズムを取り戻す。パナソニックは31分、相手陣22m中央付近ラックから右へ素早い展開、最後はWTB北川がT(G成功24-7)、リードを拡げるが、神戸製鋼の激しいコンタクトに、25分PR相馬朋和、36分CTB霜村、NO.8ホラニ龍コリニアシが次々と交替を余儀なくされる。
前半終了間際にCTBウィングの35mPGで24-10とし食らいつく神戸製鋼は、後半からPR17安江祥光、20ジョシュ・ブラッキー、SH21佐藤貴志と機動力重視のカードを3枚切り、勝負を賭ける。4分相手陣ゴール前ラインアウトから、モールを押し込みHO16木津武士がT(G成功24-17)。追撃態勢を整える。8分パナソニックはPGを決め、27-17と‘一息‘つくが、戦術外の交替が続いたパナソニックの隙を、多少のミスがありながらも攻め続ける神戸製鋼は12分と18分、共にブラッキーの突破を起点に、機動力を活かした繋ぎの攻めで連続トライを挙げ逆転、ボーナスポイントも獲得する(27-31)。
20分から切り札CTB22 JP・ピーターセンを投入したパナソニックは、神戸製鋼陣内で連続アタックを仕掛けるが、神戸製鋼必死のディフェンスの前に獲り切れない。一進一退を繰り返す両チーム必死の攻防は34分、パナソニックの連続攻撃からCTBピーターセンがT(G不成功32-31)、ようやく逆転に成功する。直後のキックオフでの攻防、38分神戸製鋼が35mのPGチャンスを得るが、ここまで5本のキックを成功させたCTBウィングが不成功で万事休す。序盤圧倒的なアタックを披露したパナソニック、劣勢ながら粘り強く逆襲のチャンスを窺った神戸製鋼。選手交替の‘アヤ’も複雑に絡み合い、もつれにもつれたゲームは両チームに一定の収穫をもたらした。マン・オブ・ザ・マッチはパナソニックSH田中史朗が獲得。
● 記者会見ダイジェスト ●
神戸製鋼コベルコスティーラーズ

苑田右二ヘッドコーチ(左)、橋本大輝キャプテン
苑田右二ヘッドコーチ
「今日は素晴らしい環境でラグビーができて感謝しています。
スタートのアンラッキーな14失点が最後までひびいた。アグレッシブに攻めた結果で、4トライをあげてポイントも2点あげ、最低限の仕事はできたと思う、まだまだ伸び代はあると思うのでしっかり調整して最終戦の東芝戦にのぞみたい」
橋本大輝キャプテン
「試合には負けたが2ポイント獲得したことをポジティブにとらえしっかり課題を修正して次の東芝戦にのぞみたい」
──大接戦の要因は?
苑田ヘッドコーチ
「皆は勝ちたかったから満足していない。難しい質問だが、5ポイント取って勝つためにしっかり準備してのぞんだ。よかったのはアグレッシブルにボールを動かしたこと」
──後半30分過ぎに自陣でのマイボールスクラムでボールがこぼれた原因は?
橋本キャプテン
「たぶん8番の選手の肩が外れた瞬間に相手のSHが足を出してボールにプレッシャーをかけたと思う」
──後半の最後に大橋選手を6番に起用したのは?
苑田ヘッドコーチ
「7番の前川が怪我で抜け、南橋をCTBに投入したため。また3番の山下にプレッシャーがかかっていたので6番の橋本を山下の後ろにつけてスクラムを安定させたかった、大橋にあれ以上の仕事を要求するのは酷だ」
──最後のペナルティーでゴールを狙うことはすぐに決めたのか? 他の選択肢は?
橋本キャプテン
「すぐに決めました」
──今日良かった点と悪かった点は?
橋本キャプテン
「よかった点は個々で前へ出られたのであれだけトライをとれた。悪かった点はアタックでは単純なミス、ディフェンスでは横とのコミュニケーション不足で大きくゲインされたこと」


パナソニック ワイルドナイツ

中嶋則文監督(左)、堀江翔太キャプテン
中嶋則文監督
「今シーズン花園で初めてのゲームで対戦相手が神戸製鋼さんということで、大勢のファンに会場に来ていただき、また環境もいい状態でのぞめた。
このゲームは我々がやろうとしていることをどれだけやれるかが課題だった。前半は神戸さんのミスに乗じて得点することができたが、途中からディフェンスはロータックルで倒しきれなくなり、神戸さんの圧力を受けてしまった。
後半もその流れのままで、何人か怪我人が出たこともあるが、一人ひとりのタックルの精度を上げなければ優勝はできないと実感できた。1点差でも勝てたことはチームとして大きい。来週のNEC戦に向け良い状態でのぞめるよう準備していく」
堀江翔太キャプテン
「前半でリズム乗れたと思ったが、怪我人が出てからチームとしての連携が取れていなかった。少しチームとして準備する必要がある。ディフェンスが甘くなったり、出ていない選手からレベルアップしないといけないとつくづく思った。
しかしギリギリ1点差で勝てて新しく入ったメンバーのプライドを感じた。途中から入って頑張った選手を褒めてあげたい」
──後半逆転された後で何度かターンオーバーされた原因は?
堀江キャプテン
「ディフェンスは落ち着いていけばできる自信はあった。怖いのはブレイクダウンと相手にペナルティーを与えることで、個人で抜かれるとは思わなかったが、相手陣に入ってから取りきろうと思って大味になってミスしてしまった」
──プレーオフ出場が決まってからのモチベーションを上げるには?
中嶋監督
「プレーオフ進出は先週決まったが1位で通過するのと2位で通過するのとでは気持ちの入り方が違う。『一つひとつのゲームをしっかりやろう』と私が言わなくても選手はわかっている。気の緩みはなかった」
堀江キャプテン
「決まった時点で気の緩みはなかったが、前半に簡単にとれた後に怪我人が出てから新しく入ったプレーヤーにもっと気持ちを出して、インパクトのあるプレーをしてほしかった。ラグビーはメンタルゲームなのでその辺はちょっと怖いなと思った」
──逆転トライのJP・ピーターセン選手へのラストパスは堀江キャプテン?
堀江キャプテン
「そうですね、お互いに声を出して、聞こえ具合で距離感を感じていた。スキルフルで、パンチ力のある選手なのでとってくれるだろうと信頼していた」





マン・オブ・ザ・マッチはパナソニック ワイルドナイツ、SH田中史朗選手
(記事:蜷川善夫、廣島治 北畑幸二 写真:長谷川昭男 広報担当:村島博)
(この他の写真については、関西協会ウェブサイトでご覧いただけます)
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