三菱重工相模原 19-28 Honda HEAT
トップチャレンジ1・第2節
2014年1月19日(日)14:01キックオフ/東京・駒沢陸上競技場
Honda、チャンスを確実に生かし勝利。三菱重工相模原は反則で自滅、自動昇格がなくなる
第1節で福岡サニックスに負けた三菱重工相模原と、横河電機に大勝したHonda。実力はほぼ互角とみられる両チームの一戦を制したのはHondaだった。トップチャレンジ1で2勝となったHondaは、同じく2勝の福岡サニックスと、次節、自動昇格を賭けて戦う。
試合は開始直後から動いた。1分、ドロップアウトからのボールをカウンターアタックしたHonda SO古屋孝広が蹴ったショートパントを自らキャッチし、そのままゴールラインに飛び込んだ(ゴール不成功 0-5)。しかし、三菱重工相模原もすぐに反撃。4分、PKから得た敵陣ゴール前でのラインアウトで、元ニュージーランド代表LOアンソニー・ボーリッチがナイスキャッチしたボールを、スローインを終えたばかりでブラインドサイドにいるHO安藤悠稀がもらうサインプレーで安藤がコーナーに飛び込み、5-5の同点とした。
7分にはHondaの古屋がPGを決め、5-8とリードしたが、三菱重工相模原も元ニュージーランド代表のSOスティーブン・ドナルドがBKラインを好リードし、ボールをよく展開してチャンスを作る。三菱重工相模原は25分、敵陣ゴール前のスクラムからのサイド攻撃でNo.8ミロデイビッドがトライ(ゴール成功)、12-8と逆転。しかし、Hondaも29分には右サイドで距離50mはあろうかというPGを古屋が決め、12-11と三菱重工相模原に点差を広げさせずハーフタイムとなった。
後半も、開始直後から試合が大きく動いた。キックオフのボールをチェイスしたHondaのFWがボールを獲得すると、そのままFWがなだれ込むようにLO鎌田祐太郎がトライ。古屋がゴールも決め12-18とHondaが逆転した。しかし、4分には三菱重工相模原SOドナルドからボールをもらったLOボーリッチがゴール前に突進、ゴール前でのラックから出たボールをSOドナルドがもらいゴールに飛び込み(ゴール成功)、オールブラックスコンビが大きく機能して、19-18と再逆転した。
その後も三菱重工相模原はドナルドのゲームリードで再三チャンスを作るが、反則やミスが多く、なかなか得点にはつながらない。後半23分、「反則の繰り返し」で三菱重工相模原CTBロコツイ・シュウペリがシンビンとなると、その反則で得たPKからゴール前ラインアウトに攻め込んだHondaはFLトマシ・ソンゲタがラックから飛び込みトライ。古屋がゴールも決め、19-25と再び逆転した。
6点差で、三菱重工相模原にとっては未だワンチャンスで逆転可能な時間帯によくアタックを続けトライを狙う。しかし36分、Hondaは獲得したボールをよくキープして敵陣に攻め込んだ得点チャンスに、古屋が鮮やかにDGを決め19-28の9点差として試合を決めた。
実力としては互角の両チームだったが、三菱重工相模原は後半だけでも11反則となったように、攻め込んでも反則で得点につなげられず、最後はシンビンをとられ14人で戦わざるを得なくなるというほぼ自滅に近いかたちで勝利を失った。一方、HondaはFWのブレイクダウンで決して劣勢にならずしっかりとしたディフェンスを続け、チャンスを必ず得点につなげ勝利につなげたが、フィットネスやスキルでもまだまだ課題は残る。まさにトップリーグへのチャレンジとなる、次節の対福岡サニックス戦が好ゲームとなることを期待する。
(正野雄一郎)
● 記者会見ダイジェスト ●
三菱重工相模原

高岩映善監督(右)、芝本裕史ゲームキャプテン
高岩映善監督
「たくさんの応援の方が来て下さったのに、本当に申し訳なく思います。2試合とも、同じ負け方で、監督の責任です。しかし、最後まであきらめず、入れ替え戦で勝ち、トップリーグでやっていけるチームだと思っています」
──2試合続けて負けている原因は?
「前半はクロスゲームで折り返して、後半の20分くらいから反則が増えだして、先週もイエローを貰いました。今日は、前回よりチャンスがつくれたのですが、イージーミスや反則でつぶしていました」
──プランどおり、前半は競ったが?
「後半の20分を変えなくてはいけません。今日は両ロックを替えて、ワークレートが上がりチャンスがありましたが、そこでミスがあったのが想定と違っていました」
芝本裕史ゲームキャプテン
「先週のサニックス戦から切り替えて、良い練習ができていたのですが、試合中に修正できずゲームキャプテンとしての責任を感じています。入れ替え戦でも、こういう場面があると思うので、皆から切り替えていこうと声も出ているし、頑張りたいと思います」
──修正できなかったところは?
「ロールアウェイのところです。先週に引き続き、試合前にレフリーとも話したのですが。やはり、ちょっと外国人選手に落とし込めていないですね。ディシプリンのところは練習中も、見られる場面がありました」
Honda HEAT
藤本知明ヘッドコーチ
「本日はありがとうございます。我々は昨シーズン、三菱さんに負けてシーズンが終わったので、今日はリベンジしようと臨みました。前半からポゼッションも、エリアも負けていましたが、最終的にはうちが上回ることができました。サニックス戦で勝った方が昇格という分かりやすい戦いになったので、頑張ります」
──ディシプリンは?
「確か、昨年はペナルティゴールの差で負けたこともあって、規律のところはレフリーとコミュニケーションをとって、後半少し修正できたかと思います。しかし、まだ向上しなくてはいけないと思います」
──悔しい負けから、どこを変えたのか?
「コンタクトのところです。特に、三菱さんはFWが大きくて重たいので、そこで負けたらうちがやろうとするラグビーができません。そこで勝ったのがうちの良かった点です」
──サニックスに勝つには?
「一つは規律を確実に守ることです。サニックスさんは田代選手という良いキッカーがいますので、無駄な点をやらないことです。少しのミスが最終的に勝敗に結びつきます」
──見事なドロップゴールだったが?
「チームとして用意したプレーです」
天野豪紀キャプテン
「本日はありがとうございます。今日の試合は、チーム全体でコンタクトで勝って試合に勝とうと臨みました。ミスでバタバタした場面もありましたが、後半、風下でも15人がしっかりタックルしてくれて、やってきたことを出せたと思います。今日からサニックス戦に向けて準備していきたいと思います」
──サニックスに勝つには?
「一年間やってきたことを相手がどこであっても出し切って、Honda HEATらしいラグビーをしたいと思います」
──見事な古屋選手のドロップゴールだったが?
「古屋さんと他の14人のコミュニケーションが取れていたので、その和を信じて、決めてくれると思っていました」
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