ヤマハ発動機
ジュビロ |
|
|
38 |
合計 |
9 |
12 |
前半 |
9 |
26 |
後半 |
0 |
5 |
勝点 |
0 |
5 |
総勝点 |
0 |
|
豊田自動織機
シャトルズ |
|
|
ヤマハ発動機ジュビロ 38-9 豊田自動織機シャトルズ
ファーストステージ・第1節 グループA
2014年8月23日(土)18:00キックオフ/静岡・ヤマハスタジアム
ヤマハジュビロ、最後の猛攻で勝ち点5をゲットし、ホームでの開幕戦飾る
待ちに待ったトップリーグ2014-2015シーズンの長い戦いが始まった。
プールAは昨年のリーグ覇者パナソニックワイルドナイツを東芝ブレイブルーパスが撃破する波乱を予感させる幕開けとなった。
両チームにとっての開幕戦、どちらも勢いに乗るためにも勝利が求められる重要なゲームが、雨上がりの虹がかかるヤマハスタジアムで、豊田自動織機シャトルズのキックオフで始まった。
前半開始からジュビロが自陣から積極的に仕掛けて、シャトルズのPKもあり相手陣深く攻め込む。ジュビロは4分FB五郎丸が左中間30mのPGをきっちり決めて先制する。シャトルズも7分左CTB大西が相手陣10mライン右隅からのPGを決めてすぐに同点に追いつく。
その後、互いにPGを決め合って9-6でウォーターブレーク。再開後は直前に雨に濡れた芝でボールが滑りやすくなっていたのか、イージーミスがお互いに目立ち、組織的な攻撃ができないまま1本ずつのPGを追加して12-9で終了した。前半は、開幕戦の重圧なのか互いにショットで得点を稼ぐ動きの少ない硬い試合運びであった。
後半に入るとジュビロの動きが良くなり、7分FB五郎丸が自陣10mライン付近のラック横を抜けだし50m独走、トライかに見えたが、シャトルズの必死のタックルに捕まるが、相手陣22mライン右中間のラックから出たボールをSOの位置に戻っていたFB五郎丸が左ライン近くにいた左WTBロッキーにキックパス、相手と競ってロッキーがキャッチするとフォローした右CTB宮澤にパス、宮澤はそのまま走り切り左中間にトライ。今日初のトライのビッグプレーにスタンドが盛り上がった。FB五郎丸のGも決まり19-9とジュビロがリードを広げる。
さらに、ジュビロは13分連続攻撃から最後は左オープンに回し、外側をフォローした右LOクリシュナンが左隅にトライした。
31分交代間もないシャトルズ左PR杉山のシンビンの間に、ジュビロは相手陣22mライン中央付近のスクラムからの連続攻撃から、またも右LOクリシュナンがゴール中央にトライして31-9とする。
フルタイムのホーンが鳴ったあとのシャトルズスクラムのボールをジュビロFWが奪い、連続攻撃を仕掛ける。PKでジュビロはスクラムを選択、シャトルズはその勢いに堪らずコラプシングを重ねる。そんな攻防が続いた43分SH矢富が執念のトライを奪い取りボーナスポイントを加えて勝ち点5として試合が終了した。
シャトルズはPKが19個と多く、特にコラプシングが目立ったのは、ジュビロのスクラムの重圧がきつかった結果なのか。後半は無得点に終わり次節からの巻き返しに期待したい。ジュビロは後半早々のトライで勢いが付き、勝ち点5を獲得して良い形でホーム初戦を終えることができた。
MOMは、2トライした右LOクリシュナンかと思われたが、重苦しいPG戦を打開する素晴らしいトライを決めたジュビロ右CTB宮澤が受賞した。
(関西協会広報委員 石垣俊幸)
● 記者会見ダイジェスト ●
豊田自動織機シャトルズ

丹生ヘッドコーチ(左)、梅田キャプテン
丹生雅也ヘッドコーチ
「今日はこのような環境の中で試合をさせていただき、関係者の方にお礼を言いたいと思います。ありがとうございました。
今日はヤマハさんとの試合ということで、攻守セットプレーのチームとわかっていて臨んだが、残念ながらこのような結果になって残念です。選手はよくがんばってくれたし、次の課題も見えてきたし、今後も試合は続くので、次の試合に向け修正してやっていきたいと思います」
梅田紘一キャプテン
「本日はありがとうございました。開幕戦を勝って、開幕ダッシュを決めたかったのですが、こちらの思うような試合ができず負けてしまって残念です。まだ1試合終わっただけなので、切り替えて次に向けてがんばりたいと思います」
──ゲームプランの通りにはいかなかったとキャプテンは言っていたが、前半はよかったのでは?
丹生ヘッドコーチ
「敵陣の方にしっかり入って自分たちのリスクがないところで戦おうと思っていたが、自分たちの反則からなかなか敵陣に入れなくて、逆にヤマハさんに攻め込まれて自分たちのリスクがあるところで戦ってしまったというのが反省点」
──選手の起用に関してカンコウスキー選手の交替も予定通りの時間で、後半勝負だったのか?
「そうです」

ヤマハ発動機ジュビロ

清宮克幸監督(左)、三村勇飛丸キャプテン
清宮克幸監督
「今日はホーム開幕戦ということで緊張感・期待感を私自身存分に楽しみました。何年監督をやっていてもシーズンが始まるときは特別で、不安や期待など色々ありました。選手たちはそういう中で、自分たちのスタイルを後半になって出して、しっかりトライを取り、今日の目標の5ポイントを取って、ケガ人もなく素晴らしい開幕戦だったと思います」
三村勇飛丸キャプテン
「今シーズンの開幕を楽しみにしていたので、こうしてボーナス点を取って勝ちきれたのはうれしいとは思いますけど、シーズンは続きますし、勝った中でも課題はあるので次のNEC戦に向けて修正していきたいです」
──今シーズンのチームを監督ご自身の中でどこに手ごたえを感じているか?
清宮監督
「毎年足りないものを埋めていくという作業があるが、去年と比べて手ごたえはありました。デコボコのあるところをならすという作業も監督業の中にはあるが、今日はへこみの少ない試合だったと思います」
──5年連続の開幕白星スタートになりました。チーム強化をしながらのシーズンであると思うが改めて今シーズンへの手ごたえは?
清宮監督
「手ごたえは戦った選手たちが一番感じていると思いますので、キャプテンの口から聞いてください」
三村キャプテン
「今年は積み上げたものが違うと思いますし、自分たちが満足できるのが頂点だと思うので、そこに向かっていいスタートを切れたと思います」
──新戦力のダン・ボーデン選手、クリシュナン選手、2人の出来についてはどうか?
清宮監督
「よかったです。今日はロッキーのプレーがよかった。クリシュナンについては3トライ取らないとマン・オブ・ザ・マッチを取れないと伝えます(笑)」
──今日のゲームでスクラムに関してはどうだったか?
清宮監督
「完全に押し切れてはいないが、プレッシャーで相手が反則をしてしまうというシーンがあり、そういう結果が出ているということがすべてですし、我々の目指すセットプレーラグビーにとって一番大事なスクラムが相手を圧倒できたのがよかったです」
──相手に研究されていたようにも見えたが?
清宮監督
「今日は『アーリープッシュ』という、スクラムで勝負する前に反則を取られないよう慎重に入ったので、前半は拮抗していると思われたのかもしれない。今日は開幕戦なので、どのくらいの駆け引きでスクラムを組んだらいいかということもよくわからなかったと思いますし、今後修正できる点はあると思います」



マン・オブ・ザ・マッチはヤマハ発動機ジュビロのCTB宮澤正利選手
(写真:谷本結利)
|