リコーブラックラムズ |
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18 |
合計 |
24 |
3 |
前半 |
7 |
15 |
後半 |
17 |
1 |
勝点 |
4 |
1 |
総勝点 |
4 |
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Honda HEAT |
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ソンゲタのトライに喜ぶHondaの選手たち
リコーブラックラムズ 18-24 Honda HEAT
トップリーグ2015-2016 第2節 グループA
2015年11月21日(土)11:40キックオフ/山口・維新百年記念公園陸上競技場
今年で3回目となる維新百年記念公園陸上競技場(山口市)でのトップリーグの試合は、ワールドカップの余韻がこの本州の西端・山口にも及び、過去最高の4580人の観客が熱戦を見守った。
対戦は第1節でいずれも勝ち点を収めることができなかったリコーブラックラムズとHonda HEAT。前半互いにハンドリングミスやペナルティでチャンスを活かせず得点できない状態が長く続いたものの、後半は1つのトライからHondaが一気にペースをつかみ、リコーの追撃をかわして勝利を収めた。
リコーのキックオフで始まった前半は、開始早々の3分にHondaがターンオーバーから左に展開、コーナーめがけてキックしたボールの争奪の際に、リコー右FL武者が危険なプレーでシンビン。Hondaはキックをタッチに出した後のラインアウトからモールを形成し、1人少ない相手FWを押し切りトライを取る。コンバージョンも決まり0-7。
9分にHondaのスクラムでのコラプシングでリコーはPGを選択、FBピータースが難なく決めて4点差とする(3-7)。
その後は両チームともハンドリングエラーやペナルティはあるものの、組織された堅固なディフェンスが崩れることなく、Hondaが敵陣でゲームを進める時間が比較的長かったが、スコアには変化なくそのまま前半を終了する。
リコーは後半最初から今シーズン新加入で豪州代表のフォーリー、6分にはサモア代表のナナイウィリアムズを投入し、テンポアップしたBKがHondaディフェンスの裏に出始めるが、トライを奪うまでには行かなかった。
後半先に得点したのはリコーだったが、20分、Hondaはハーフラインをリコー陣内に少し入った左サイドのスクラムからBKが右に展開、左に再び大きく振った後、左サイドに残っていた途中出場の右PR元がトライを奪う。コンバージョンも決まり6-14。
この後は、Hondaが一気にペースをつかみ、25分にはリコーのドロップアウトのボールをとってカウンターをしかけ、フェイズを10近く重ねた末に、ハードワーカーの右LOソンゲタが相手タックルを外してトライし、コンバージョンも決まって6-21と点差を広げる。
リコーも29分、ノーサイド間際の39分に2トライを返すものの、後半に流れをつかみ、ゲームの主導権を離さなかったHondaが勝利を収めた。
マン・オブ・ザ・マッチには、中盤の要所要所で正確なハイパントを蹴ってチャンスメイクをし、後半34分にはリコーの勢いを挫くDGを決めたSO小西が選ばれた。
巧みなステップでディフェンスの裏に出るリコーのナナイウィリアムズ
● 記者会見ダイジェスト ●
リコーブラックラムズ

神鳥監督(左)、野口キャプテン
神鳥裕之監督
「今日地方開催にも関わらずたくさんのファンの方にお越しいただき、まずは感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
今日の試合は、開幕戦で悔しい敗戦をしていましたので、気持ちを切り替えて何とか流れを変えて勝利して次に進みたかったのですが、結果的に負けてしまったことは残念に思います。前半、ハンドリングエラーなどのイージーなミスをするなかでリズムが作れずに、後半も相手に先手を取られる苦しい展開のなかで流れを取り返せなかったというところは、我々としても非常に厳しい試合だったと思っています。
試合自体は残り5戦続きますので、しっかり気持ちを切り替えて次の試合の準備をしっかりしていきたいと思います。今日はありがとうございました」
野口真寛キャプテン
「本日はたくさんの応援ありがとうございました。
今日の試合はディフェンスで我慢できるところは我慢できていたと思います。ただ要所要所、モールなど大事なところでミスを犯してしまい、その失点が最後まで尾を引いた試合だったと思います。
特に実力が拮抗している相手に対しては、ミスがその後のゲーム展開につながるという試合だったと思います。
本日はありがとうございました」
日本でのデビュー戦となったリコー、フォーリー(中央・黒)
Honda HEAT
 藤本ヘッドコーチ(左)、天野キャプテン、小西選手
藤本知明ヘッドコーチ
「本日はありがとうございました。今日の勝利は、内容は我々にとっては目指しているものとは少し違ったかもしれませんが、選手のハードワークが実った勝利だと思います。
まだ一勝ですが、我々の目標にとっては大きな一勝になったと思います。次の試合に向けてしっかり準備していきたいと思います」
天野豪紀キャプテン
「本日はありがとうございました。まずは山口県に来て、このようなすばらしい環境でラグビーができたことに感謝致します。
今日勝てた要因は、やはりチームが1つになって、自分のやるべき事を一人一人がしっかりやったことだと思います。ここで自分たちは全然満足していないので、次の東芝戦に向けて、本日FWで少し自信をつけることができたので、さらに精度を上げて次に臨みたいと思います」
小西選手(マン・オブ・ザ・マッチ)
「前半ボールが滑る状況だったので、我々もミスが多くて結構苦しめられ、自滅したシーンもありましたが、後半はしっかりそこを修正してボールを動かすラグビーができたと思います」
──前半膠着状態が続いたと思いますが、後半18分の元公法選手のトライ以降、かなりテンポアップして前半と違うゲーム展開になったと思います。その辺りはベンチからどのような指示があったのか、また選手の方としては意識の切り替えのようなことがあったのか教えて下さい。
藤本監督
「前半は球が滑るような状態でミスが多くありましたが、ディフェンスは比較的安定していたのでそんなに心配していませんでした。後半はうまくエリアを取りながらゲームをコントロールしていたので、その辺が次第に自分たちのペースを作っていけた要因だと思います」
天野キャプテン
「18番の元選手のトライの後に円陣を組んだ時、受けに入らずにもう一本取りに行く姿勢を貫こうと、隣の小西の方から指示があったので、それでチームが1つに意思統一でき、そこからテンポアップできたと思っています」
──リコーに対して抱いていた印象と、実際に戦ってみた感想を教えて下さい。
藤本監督
「最初は少し我慢していくと、得点やペナルティが取れると思っていましたが、リコーの規律が非常に取れていて、予想していたようには行きませんでした。しかし、後半は特にそうでしたが、しっかりと我慢して継続していくことによってチャンスを多く生み出して行っていたので、そこは狙い通りだったかと思っています」
天野キャプテン
「今回はリコーのイメージと言うよりも、前回自分たちのセットプレーで規律を乱して負けにつながったので、まずはFWとしてセットピースをしっかりやっていった結果が、うちがリコーを上回ることができたところかなと思っています。リコーはインパクトのあるプレーヤーが多いので、しっかり体を張ってタックルしていこうということは、常にチームに言い続けていました」
(山口県ラグビーフットボール協会 畑村 学)
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