クボタ スピアーズ |
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31 |
合計 |
22 |
10 |
前半 |
22 |
21 |
後半 |
0 |
5 |
勝点 |
0 |
10 |
総勝点 |
2 |
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リコー ブラックラムズ |
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クボタスピアーズ 31-22 リコーブラックラムズ
トップリーグ2015-2016 第7節 グループA
2015年12月26日(土)11:40キックオフ/大阪・キンチョウスタジアム
今シーズンのリーグ戦もいよいよ最終節。前節パナソニックに敗れはしたが、善戦して勝ち点1を挙げ総勝点が5のクボタスピアーズと、今季勝利が無く、この試合で初勝利を目指す総勝点2のリコーブラックラムズの試合は、晴天ながら強い風が吹くキンチョウスタジアムで行われた。
前半戦、左から右への強風の中、風下クボタのキックオフで試合が開始された。1分、リコーは風上のアドバンテージを利用してペナルティーからのタッチキックで10m付近右に進め、ラインアウトから左に展開しループで22m左付近まで攻め込むもののノックオンでチャンスをつぶしてしまう。逆に6分、クボタは22m中央からのPGをSO森脇秀幸がしっかりと決めて先制(3-0)。
先行を許したリコーだが、反撃に転じる。9分、ここもペナルティーからタッチ。ゴール前10m左からラインアウトでモールを形成し前進、No8コリン・ボークが持ち出し、ディフェンス3人を押しのけて左中間にトライ、GもSOバーナード・フォーリーが決めて逆点に成功した(3-7)。
直後の13分には、クボタのテイクインバックのミスで得た22m右ラインアウトからフェイズを重ね左に攻める。最後はゴール前10m左中間ラックから左PR辻井健太が左中間にトライ。Gもフォーリーが決めリードをひろげる(3-14)。
20分にも、ゴール前20m右中間ラックから左へ展開し左WTB長谷川元氣が左隅に押さえ、さらに点差を広げた(3-19)。33分には自陣10m付近中央からショットを選択。このロングPGをFBピータース ダニエルが見事に成功させ、突き放す(3-22)。
リコーがペースをつかむかと思われたがクボタは36分、ハーフライン左ラインアウトからFW、BKが一体となってフェイズを重ね攻撃する。最後はゴール直前右中間ラックから右FLフィナウ・フィリペサーリが持ち出し、突進して右中間にトライし、GもSO森脇が決めて差を縮め(10-22)折り返しとなった。お互いが何度かのチャンスをハンドリングミスや反則で逃した前半戦、後半修正ができるかが勝負の分かれ道になった。
後半は風下のリコーがキックオフ。フェイズを重ねクボタ陣に攻め込むが、チャンスを生かせない。逆に攻撃を凌いだクボタが5分、ハーフライン右ラインアウトからフェイズを重ね、22m左中間まで前進。そのラックから右に展開するとFBアイザイア・トエアバがビックゲインし、タッチライン際の右WTB宮田拓哉に繋ぎライン際を走り切り右隅にトライをあげる。難しいGをSO森脇がここも決めて5点差に詰め寄る(17-22)。
試合の行方がわからなくなった。ペースを掴んだクボタは11分、ペナルティーからタッチ、ゴール前10m左ラインアウトからラックを連取して最後はポスト右10mラックからSH井上大介が持ち出し、左LO四至本侑城に繋ぎ中央にトライ。SO森脇がGをしっかりと決めてついに逆転する(24-22)。
18分にリコーは、クボタのロングキックがデットボールラインを割りオプションで22m右中間スクラムを選択しフェイズを重ね攻め込むが、ハンドリングミスでチャンスを逃す。初勝利を挙げたいリコーはここから猛攻に転じて何度も攻撃を仕掛けるが、クボタも堅いディフェンスで凌ぎ時間が進む。
ロスタイムに入った42分、リコーの初勝利を奪い取るビッグプレーがクボタから飛び出す。自陣10m付近で右WTB宮田が攻めるリコーのパスをインターセプト、そのまま60mを走り切って中央にトライし、Gも後半途中出場のSO23番 高橋銀太郎が決めて逃げきった(31-22)。
クボタはリーグ戦残り3試合になってから調子が戻ってきた。規律の意識統一を図り、しっかりと準備して順位決定トーナメントに挑んで欲しい。リコーはリーグ戦では勝利を挙げることができなかったが、気持ちを切り替えて順位決定トーナメントまでにトライを取りきれるように修正して挑んで欲しい。
マン・オブ・ザ・マッチは、俊足を生かし2本のトライを挙げたクボタスピアーズの右WTB宮田拓哉に贈られた。
(鈴木博之、丸井康充)
● 記者会見ダイジェスト ●
リコーブラックラムズ

神鳥監督(右)、小浜ゲームキャプテン
神鳥裕之監督
「我々としては、リーグ戦の最終戦をしっかりと勝って次のステージに弾みをつけたかったのですが結果的に負けてしまって非常に残念です。内容については、前半の入りの部分で選手達はアグレッシブなラグビーを体現してくれましたが、風下にまわった後半、クボタのプレッシャーを受ける形になってしまって結果的にディフェンスの部分で崩してしまったところが反省です。順位決定トーナメントは一つ負ければ入替戦と言うハードな状況なので、しっかりチームを立て直して必ず上位に入れるように準備して挑みたいと思います」
小浜和己ゲームキャプテン
「最終節、勝ちにこだわって挑みましたが、負けてしまいました。この事実をしっかりと受け止めて、次に向けて練習し、一日一日を大切にして準備します」
──風の強い中の試合での戦い方はどう考えたか。
神鳥監督
「風上の戦い方は当然アドバンテージがあるので、一つでも多くスコアを挙げたいという思いで挑んではいました。前半のスコアに関しては悪くはなかったと思います。ただ一つ、ラックサイドの近場を攻められて良くない形でトライを許したのが後半も修正できなかったのが響きました」
──最後、ドロップゴールを狙う考えはあったか。
小浜ゲームキャプテン
「そのオプションもあったとは思いますが、私達はトライを取りきるという思いで意識統一して挑んでいたので考えはしなかったです」

クボタスピアーズ

石倉監督(右)、立川キャプテン
石倉俊二監督
「最終節の大事な試合、立川キャプテンを中心にして勝ち切ると言う思いで挑みました。先週のパナソニック戦、負けはしましたが良いゲームができましたので、それ以上のゲームをして勝ち切る準備をしてきました。後半きっちり逆転できたことが成果だと思います。まだまだミスや反則があり、厳しい試合内容だが選手達はよく頑張ってくれました。順位決定トーナメントは9位を目指して挑みます」
立川直道キャプテン
「最終戦という事で、勝ちを意識して準備してきました。前半はいつもの負けパターンでしたが、後半に修正してクボタらしくしつこく守って勝つことができたのが成長した部分です。リーグ戦はなかなか課題が修正できずにきましたが、残り3試合からは成長できたので、このいい形を継続しながら順位決定トーナメントに挑みたいと思います」
──前半、後半で戦い方を変えたか。
石倉監督
「特段戦い方は変えていません。前半から継続して『前に前に出る』ことができていたので、後半はシンプルにテリトリーを取って敵陣でしっかり継続して戦っていきました」
(記事:鈴木博之、丸井康充)
マン・オブ・ザ・マッチはクボタスピアーズ14番、宮田拓哉選手
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