神戸製鋼コベルコスティーラーズ |
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34 |
合計 |
7 |
10 |
前半 |
7 |
24 |
後半 |
0 |
5 |
勝点 |
0 |
24 |
総勝点 |
11 |
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トヨタ自動車ヴェルブリッツ |
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神戸製鋼コベルコスティーラーズ 34-7 トヨタ自動車ヴェルブリッツ
セカンドステージ・第6節 グループA
2015年1月4日(日)14:00キックオフ/大阪・ヤンマースタジアム長居
正月休み中のトップリーグのセカンドステージ第6節。ここまで勝点19でプールA暫定3位の神戸製鋼コベルコスティーラーズ、勝点11で6位のトヨタ自動車ヴェルブリッツ。ファーストステージでは24-24で引き分けている両チーム、今シーズンの決着をつける一戦となる。
トヨタ自動車のキックオフで試合が開始、神戸製鋼オブストラクションの反則で、トヨタ自動車は神戸製鋼陣ゴール前まで一気に迫る。しかし、神戸製鋼のディフェンスは固く、トヨタ自動車にゴールを許さない。神戸製鋼は、トヨタ自動車の反則にも助けられタッチキックなどでトヨタ陣内に攻め込み、11分右WTB山下楽平が左隅にトライかと思われる場面があったが、TMO(テレビジョンマッチオフィシャル)の判定でトライは認められず。続く15分、ゴール前5m左中間ラックからショートサイドに左展開、右LOアンドリース・ベッカーが長身を活かしトライ。左CTB山本大介がゴールも決め7-0と先制する。
一方、トヨタ自動車も、リスタートから神戸製鋼陣内に攻め込み、24分、10mL中央での攻防から左展開、22mL左中間で右CTBスティーブン・イェーツがタックルを受けダウンボール、それを自ら拾い、裏に抜け左中間にトライ。SO文字隆也がゴールを決め7-7の同点に持ち込む。神戸製鋼はトヨタ自動車がスクラムで苦しむ間にFWが優位に試合を進め、33分にスクラムコラプシングで得たPKを、山本がゴールを決め10-7と3点リードして前半を終える。
神戸製鋼のキックオフで後半が開始される。2分、相手反則のアドバンテージを確認した神戸製鋼SO山中亮平が狙ったDGはTMO判定。結果は、わずかにポストを右に外れ、DG認められず。しかし、神戸製鋼は前半からのスクラムでの安定感を活かし、5分ラインアウトからのモールの連続攻撃でLOベッカーがこの試合2本目のトライ(ゴール)を決め17-7とリードを拡げる。この後、神戸製鋼はミスが続き得点を加えることができなかったが23分、ハーフウェイライン左中間付近で得たスクラムを右にホイールしSH佐藤貴志が持ち出し、スクラムの右サイドを駆け抜け、最後はフォローした右FL前川鐘平が左中間に押さえトライ。ゴールも決まり24-7と点差を拡げる。
トヨタ自動車は、リスタートから、26分、神戸製鋼ゴール前7mまで迫り左中間ラックから途中出場の17番佐藤一斗がゴールラインを割りトライと思われたが、TMO判定で他のプレーヤーのオブストラクションが確認され、トライは認められず。神戸製鋼は、35分に右WTB山下楽平が22mL右中間ラックからラック左サイドを駆け抜けとどめとなるトライ(ゴール)をあげてボーナスポイントを獲得。さらに、ノーサイドホーンが鳴った後も神戸製鋼は攻撃の手を緩めることなく自陣から攻め続け、トヨタ自動車が22mL中央でオフサイドの反則を犯すと、山本がPGを決め34-7の大差で勝利を収めた。
神戸製鋼は勝点5を加え総勝点24としグループA2位に浮上。一方、セットスクラムで完敗したトヨタ自動車は勝点を伸ばすことができなかった。
マン・オブ・ザ・マッチには、ゴールキックを全て正確に決めたCTB山本大介が選ばれた。
● 記者会見ダイジェスト ●
トヨタ自動車ヴェルブリッツ

廣瀬監督(右)、杉本バイスキャプテン
廣瀬佳司監督
「何とかトップ4に残る可能性を残していたし、選手のモチベーションも高かったが、神戸製鋼のFWに完敗してしまった、非常に残念。
これでプレーオフの可能性がなくなってしまったので来週の地元の瑞穂では、サントリー相手にトヨタらしいラグビーでワイルドカードを目指す。選手はよくやってくれたし、準備してきたことをしっかり出してくれたのに勝たせてやれなかった責任を感じている」
杉本晃一バイスキャプテン
「しっかり準備してきたが、所々でハンドリングエラーなど小さなミスから相手にボールを奪われることがあり、うちのリズムでゲームができなかった」
──今日のゲームプランは?
廣瀬監督
「もちろん残り2試合は4トライ以上の勝利で5ポイントを取るということで臨んだ。アグレッシブに自陣からでも積極的にボールを回し、また相手のキックには竹田を中心にカウンターを狙ってくれたがトライに結びつかなかった」
──神戸のFWに完敗ということだが予想と比べて?
廣瀬監督
「予想通りで、ラインアウトならベッカー、スクラムなら1列を中心にした強力なFWだった。対策は練ってきたし、選手も対応してくれだが、後半の立ち上がりにトライを取られてから受けに回ってしまった」
──ファーストステージの神戸戦とくらべて?
杉本バイスキャプテン
「そんなに変わっているとは思わない、セットプレーでやられている印象があるので、かなり修正してきて自分では『行けるかな』と思っていたが、攻め込んではミスでトライを取り切れなかった」
──新人の3番高橋選手と15番竹田選手の評価は?
廣瀬監督
「二人ともチームを引っ張ってくれて頼もしい。スクラムは苦戦しているが、フィールドプレーではハードワークしてくれるし、どのチームの3番と比べても機動力はあると思う。竹田は即戦力だと考えていた」

神戸製鋼コベルコスティーラーズ

ゴールド ヘッドコーチ(左)、橋本キャプテン
ギャリー・ゴールド ヘッドコーチ
「トヨタは非常にフィジカルで、いいパフォーマンスをすることはわかっていた。後半はDFをよりタイトにして、そこをベースに攻略して4トライを取ることができた」
橋本大輝キャプテン
「前半はトヨタさんにいいパフォーマンスを見せられてすこし足踏みしてしまった。後半は前回引き分けたゲームの課題のメンタル面を修正して4トライ取れた。80分間自分たちのラグビーをやりきることで、うちとしては成長につながったと思う」
──今日のゲームでのキックの評価は?
ゴールド ヘッドコーチ
「トヨタはキックに備えて4人を後ろに配置し、そこから仕掛けてくる。キッキングゲームをすることは、いいエリアでプレーするためで、相手の頭を超すいいキックもあったが、欲を言えばさらに深い所へキックして22m内にくぎ付けにする必要があった」
──ホーンが鳴っても攻撃し続けたのは得失点差を意識してか?
橋本キャプテン
「実は僕もびっくりしました〈爆笑〉『マイボールで攻めてダメだったらタッチかな?』と思っていたが、ファーストフェイズでかなり攻めることができたので、全員が攻める意識にスイッチが入った。その結果PGの3点を追加することができた」
──CTBの山本選手、WTBの山下選手について?
ゴールド ヘッドコーチ
「山本選手はもともといい選手で、彼のキックはクロスゲームになった場合にはポイントをいかに乗せていくかということで重要だ。またキックだけではなくボールキャリーとしてもよかった。彼が12番にいることで10番の山中選手にもいい影響を与えている。
山下選手はDFを大きく改善し、コンタクトシュチエーションも強く、スピードもあるので、トライラインを越えられるフィニッシャーだ」
マン・オブ・ザ・マッチは神戸製鋼コベルコスティーラーズ12番、山本大介選手
(記事:山林右二、蜷川善夫、北畑幸二 会見写真:小巻真司 広報担当:村島博)
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